今年のAmazonプライムデーで、発売されて2ヶ月半ほどしか経っていないGalaxy Buds Proがセールになっていたので、興味本位で購入。
本当はNote 20 Ultraに合わせてファントムブラックが良かったんだけど、「もうちょい下がるか…?」と粘りすぎて在庫がなくなってしまったので、敢え無くファントムシルバーに。
レビューを見た感じはそんなに悪くなさそうなのと、Galaxyで揃う機能的なメリットを期待して購入に踏み切った。
レビュー
AirPods Proを先に使っているので、その比較が主となる。
良い点
音質
“Sound by AKG“は伊達じゃない。低音も高音もさほど丸められる事無く出ている(ように聞こえる)。少なくともAirPods Proよりは全音域ドッシリ出てくれる。
Samsung独自のScalable Codecが効いてるのもあるんだろうか。
他デバイスとの併用
AppleのエコシステムでAirPods Proを使うのと同じように、SamsungのエコシステムでGalaxy Buds Proを使うと機能を余すこと無くしっかり使える。
その最たる例が、接続先の自動切換だと思う。
とは言うものの、切替が思い通りにならない時も多い。
「そっちじゃない!」とか、「あれっ切り替わらない…」とかならまだマシな方で、iPadで使っている時にiPhoneに通知が来ると音が途切れる事もある。
Galaxy Buds Proは、音声絡みのコンテンツ(動画再生とか)を扱う時に切替が起きるので、思わぬ切替が起きづらい。
切り替わるまでの時間はやや長めで、スムーズに切り替わってほしい人にはマイナスになるかもしれないけど、スムーズすぎて不安定になるAirPods Proに比べれば幾らか安心感さえある。
電池持ち
「電池持ちが悪い」というレビューをよく目にするんだけど、AirPods Proの持たなさに慣れた身としては褒めて良いレベルに感じる。
それもそのはず。イヤホン側の電池について、AirPods Proが0.16Whなのに対し、Galaxy Buds Proは0.22Whと大きい。
まだ音声通話に使っていないのでちゃんとした比較は出来ないけど、単にイヤホンとして使う場合はAirPods Proより持ってくれる。
ケース
AirPods ProとGalaxy Buds ProのどちらにもQi準拠のワイヤレス充電に対応しているのだが、どちらも充電パッドに比べて小さいので、置く時の位置がシビアになりがちという問題がある。
AirPods Proのケースは横長だが、Galaxy Buds Proのケースはほぼ正方形。AirPods Proの短辺が短いこともあって、Galaxy Buds Proの方が位置決めをしやすいように感じる。
悪い点
装着性
コレはAirPods Proが良すぎるんだろうなぁ。相手が悪いと言うか。
全然しっくりこない。フィットしない。
AirPods(EarPods)系は下に伸びるタイプで、引っかかる感じがあるが、一方でGalaxy Buds系は上にある耳介の空きを埋めるようなタイプで、外耳道に挿さる部分と耳介の窪みで踏ん張る感じになる。
ユーザーマニュアルには「回しながら調節する」らしいけど、そもそも回せないEarPods系に慣れてしまうと、ちゃんと装着できているんだとしても不安で仕方がない。耳が小さいからそもそも本体サイズが合ってないのか?
外部音取込
取り込みレベルを調節できるのは良いんだけど、バスのエンジン音などの低音が全然載らない。特に何も再生していなくても載らない。
その割に高音はやたら載る。空調の吹き出す音はシャーシャー聞こえるのに、エンジン音だけが不自然に弱い。
AirPods Proは取込レベルの調整はできないけど、自然に取り込んでくれる。
この違いは、製品ページの「会話が可能」と「周囲の音を聞きたい時」の微妙なニュアンスの違いが色濃く出ていると見たほうが良さそう。
本体重量
先述のフィットさ加減も相まってかなり重く感じる。実際に、AirPods Proの5.4gよりは重いけど(6.3g)、たかが1g未満と思わないほうが良い。「1円玉の方が軽い」レベルで違う。
装着しててちょっと首が疲れやすくなるかもしれない。
電池が大容量化してたり、防水性が増していたり、ケース側が軽かったりと色々原因は思いつくけど…
遅延
コレはどこに問題があるんだろうか、iOSだとそんな事はないのに、Androidだとほぼ共通して起こる事象。
動画なら問題はないんだけど、ゲームが音ズレを起こす。
Galaxy Buds Proに限らず、AirPods Proを含めBluetoothイヤホン全般で起こる。
Samsungはこの問題を認識しているらしく、Galaxy Wearableアプリ内のラボに「ゲームモード」なる項目がある。
(恐らくはScalable Codecを使って)遅延を最小化するらしいが、「ラボ」つまり開発中なのもあってか、最小でも30fps時で3~4フレームぐらい遅れる。そして左右で若干ズレたりする。
違和感を脳内で押し留めれば(操作音などは)なんとか耐えられなくもないが、結構苦痛に感じる。
コーデックをiOSに揃えてAACにしても遅延は当然発生するので、Bluetoothスタックの問題かと思ってGabeldorsche
に切り替えたところ、Sペンが使えなくなるという思わぬ罠にハマったので戻した。
総評
単純にイヤホンとしての音質は高いし、取り回しもしやすい。
一方で、スマホ相手の常用イヤホンとしては不満も大きい。
AirPods Proに比べれば安いが、一般的なイヤホンとしてはやや高額な部類で、値下がっていたのを加味しても値段ほどの満足感は無かった。オーオタの方はお帰りください。
あと一つ余談として言うなら、いくら防水とはいえ、あの剥き出し電極はおっかない。というか痒い。装着する時にピリッと痒い。
電気的な痒さじゃなく引っかかった痒さなのかもしれないけど、だとしたら加工精度が微妙な気がする。